「シンデレラ体重」という言葉を聞いたことがある人も多いのではないでしょうか。

本記事では、シンデレラ体重の意味や、計算方法を詳しく紹介。シンデレラ体重を目指している人が知っておきたいリスクも合わせて解説するので、ダイエットを頑張ろうと思っている人はぜひ参考にしてください。

シンデレラ体重とは


まずは、シンデレラ体重の意味や、標準体重・美容体重との違いについてご紹介します。

シンデレラ体重とはBMI18の体重のこと

シンデレラ体重とは、BMIと呼ばれる健康の指標が「18」である体重のことをいいます。日本肥満学会の判定基準では、18.5未満は「低体重」と考えられています。

BMIとは、 体重を身長の二乗で割った値のこと。身長155cm、45kgのBMIは、「45」÷「(1.55)^2」で、BMIは20です。

身長155cmのシンデレラ体重は43.2kgです。

標準体重との違い

世界保健機関(WHO)によると、標準体重のBMIは「22」です。

身長155cmの標準体重は、52.9kg。シンデレラ体重は43.2kgであるので、10kgほど差があることがわかりますね。

美容体重との違い

美容体重は、BMI「20」の体重のことをいいます。シンデレラ体重(BMI18)と標準体重(BMI22)の間にある健康的な体重であり、美しいスタイルを保つことができます。

シンデレラ体重の計算方法

シンデレラ体重の計算方法は、以下の通りです。

「シンデレラ体重(kg)=身長(m)×身長(m)×18」

「×18」を「×20」にすると、美容体重を求められます。また、「×18」を「×22」にすると標準体重を求めることができますよ。

シンデレラ体重の知っておきたいリスク


「シンデレラ体重を目指そう」と思っている人もいるのではないでしょうか。シンデレラ体重は日本の基準では「低体重」であり、シンデレラ体重を目指すことで心身ともに重大なリスクが考えられます。

以下では、シンデレラ体重の知っておきたいリスクを詳しく紹介。体重を過度に減らすことのリスクを覚えておきましょう。

骨密度の低下

シンデレラ体重のような低体重は、骨に十分な栄養がいかず、骨密度が低下するリスクが高まります。その結果、スカスカな骨になり、特にふとももにある「大腿骨」という大きな骨が折れてしまう可能性があります。足の骨を折ると、歩けなくなり日常生活を営めなくなるため、注意が必要です。

また、江澤郁子先生の論文によると、一度低体重になってしまうと、数年経っても骨密度の回復が期待できないこともあると記載されています。無理なダイエットをすると、体への負荷を回復させるのに時間がかかってしまうことも合わせて覚えておきましょう。

参考:骨粗鬆症財団「どんな人がなりやすい

参考:江澤 郁子「間違った ダイエットの骨への影響

免疫力の低下

必要な食事を摂らずに低栄養状態が続くと、免疫力が低下する危険性があります。

免疫力が下がると病気にかかりやすくなり、特に肺炎や下痢、結核などを発症しやすくなるとされています。また、発症後の死亡率も上がってしまうため、食事を抜いてシンデレラ体重を目指すことはやめましょう。

参考:大森 慶太郎、大毛 宏喜「低栄養患者における感染症

不妊

シンデレラ体重になることで「不妊」のリスクが増大します。

ある研究によると、BMI18.5未満の低体重群(シンデレラ体重を含む)では、妊娠に重要な「亜鉛」というミネラルを十分に取れていないことがわかりました(r=0.484)。亜鉛を十分に摂取できないと、妊娠をすること・妊娠を継続すること・胎児の成長に影響を与えます

もし将来的に妊娠をしたいと考えていなくても、亜鉛欠乏症になることで、皮膚炎や味覚障害などの危険性があるため、栄養バランスが取れた食事をすることを意識しましょう。

参考:登坂 正子「不妊女性のミネラルバランスから考える新たな食育の検討

貧血

低体重・低栄養状態では、鉄分を十分に摂ることができず「鉄欠乏性貧血」につながる可能性があります。論文では、低体重の人が鉄欠乏性貧血になりやすいというわけではないという結果が出ましたが、潜在的に鉄欠乏状態になっている人が多いと考えられています。

鉄欠乏性貧血は多くの場合、無症状であり、健康診断で行う血液検査で見つかることがほとんど。しかし、鉄欠乏性貧血が進むと、集中できなくなったり、爪が割れやすくなったり、疲労感がましたりと体にとってよいことではないため、注意が必要です。

参考:重田公子「若年女性の痩身志向が血液ヘモグロビン値を指標とした 貧血に与える影響

参考:北川 元二「若年女性の鉄欠乏状態と栄養摂取状況の検討

健康的にシンデレラ体重に近づくためのポイント


シンデレラ体重なることのリスクを理解した上で、健康的に痩せるためにはどうすればいいのでしょうか。

以下では、健康的にシンデレラ体重に近づくためのポイントをご紹介します。

体重だけではなく体脂肪も考慮に入れる

数字にこだわりたい人は、体重ではなく体脂肪に注目することをおすすめします。たとえば、同じ体重の人でも、体脂肪率25%の人と、20%の人では見た目が大きく異なります。

体脂肪率が20~22%の場合、健康的で引き締まった体になります。キュッとスタイルのよい体を作るためには、体脂肪を減らし、筋肉をつけましょう。

栄養バランスの取れた食事を取る

健康的な体づくりは、栄養バランスの取れた食事から。

糖質、脂質、タンパク質、ビタミン、ミネラルなど、五大栄養素をバランスよく摂ることが大切です。食物繊維を合わせて食べることで、糖の吸収を抑え、太りにくくなります。

また、食事は摂る順番も大切だといわれています。血糖値を急激に上昇させないためにも、まずは野菜から食べることを意識づけましょう。

「栄養バランスが取れた食事を取れているかわからない」という人は、食事管理アプリを使うことをおすすめします。食事管理アプリを使うことで、ダイエットに重要なPFCバランスや、ミネラルバランス、カロリーなどを管理できるようになります。

ダイエットに大事な食事を徹底的に管理してみてはいかがでしょうか。

筋トレやストレッチ、有酸素運動を行う

運動をせず、食事だけで痩せようとしている人もいるのではないでしょうか。

運動せずにいると、脂肪だけではなく筋肉も落ちてしまい、健康的なダイエットにはなりません。筋トレやストレッチ、有酸素運動を行い、引き締まった体を目指しましょう。

じつは、筋トレやストレッチ、有酸素運動は、効果的な順番があります。

まずは、ストレッチを行い体を動かす準備運動をしましょう。その後に、ハードな筋トレ→有酸素運動→ストレッチを行うと、最も効率的に運動することができますよ。

シンデレラ体重ではなく自分の体にあった体重を目指そう

本記事では、シンデレラ体重の求め方や、そのリスクについてご紹介しました。

すでにご紹介した通り、シンデレラ体重は健康を損なう可能性があり危険です。貧血になったり、不妊、免疫力の低下を起こしたりすることが考えられるため、無理なダイエットはやらないようにしましょう。

シンデレラ体重を目指すのではなく、健康的に筋肉や脂肪が程よくついた体を目指すことをおすすめします。本記事を参考に、心身の健康を保てる体重を決め、ダイエットを行ってみてはいかがでしょうか。